100年経っても。
7月も終わっちゃう!!
せっかく書いたのでアップしとこう。。
少し前になりますが、またいろんな頂き物あり。
その中に表面がサビサビになった写真機を発見しましてね。
それが今回のお話です..。
本当は黒い革が表面に張ってあったのですが、それも朽ち果てて金属の表面は
カピカピの酸化した粉だらけ。
これはもう、ダメだな・・とか見た瞬間は思ったのですが。
ボタン押してフタを開けるとこんなの。
あれ?外の感じと違って、内部はなんだかキレイだぞ!?
蛇腹が閉じるタイプの写真機だったので、レンズも奇麗。
シャッターもなんと問題なく動いていますよ!!
調べてみるとこの機種は『No.1 Autographic Kodak Junior』という機種。
製造年は1914-27とあります。ってことは大体100年前の写真機ってことかぁ。。
やっぱり真っ黒な革張りが美しい!!
でも、今回のはここまで復元するのでなくて、写真が撮れるようになれば
いいだけなのでちょっと調整だけしてみましょう。
まずはサビ取りから。こんなブラシを入手してきてまずは全体的に擦っていきます。
ものすごくイケナイ白い粉が飛び散りますのでマスク必須です。。
だいぶブラシをかけて酸化した表面を削っていき、サンドペーパーもかけて、
最終的にバフにコンパウンド付けて磨き上げます。
木部もついてに研磨してこんな感じに。
だ、だいぶマシに。。。
かなり耐水ペーパーで研磨したんですが
まぁ最初っからこんなだったって気もしてきますよ。
最終的にはこんな姿に!
これはこれでカッコいいかと。。
距離はもう決められた3段階。
この割り切り様が素敵です。
自分で脚使ってそのピントの合うエリアを生み出さないといけないわけです笑
ファインダーは磨き上げましたが実に曖昧。。
ここの部分は90度傾ける事ができるので縦横構図でこの十字型ファインダーな訳です。
※こうやって撮ると基本的には縦構図になります。
背面になぜかドアがあります。なんだこりゃ?
とか言いながら実は知っていました。
この関節部のところに、もうこれは欠品していますが本当は鉄筆みたいなのが
仕込んでありましてね。その鉄筆でこの窓からフィルムにメモを書くと、フィルムを押さえてる紙が
カーボン紙みたいになっていてフィルムに文字が転写される!というシステムだそうで。。
ま、もうそんな事やんないから気にしなくていいのですけどね。
ともかく、本体の修復はこんなところで!
フィルムはFUJIのACROS100。現像するまでは「本当に撮れるのか?」と
ドキドキしたんですが、現像処理後見てみるとしっかり写ってるではないですか!
ちなみに1コマのサイズはだいたい6x9センチ。フィルム1本で8コマ撮れます。
フィルムの1コマが大きいのって大迫力ですよね〜〜!!
さてさて自宅を試写にて、の結果。
おおおお。なんだよなんだよ、しっかり写るじゃないですか!!
遠方から試写。岐阜県恵那市のやまあかりさん。 1/50 f11。
思うにこの写真機は野外スケッチと言いますか、遠方を撮るのに適した機種なのかもな?!
問いうのが、少し撮影して思った事でした。
風景を目測でピントをだいたい合わせて絞って撮る。それで良いのではないかなぁと言う感じ。
なにしろ100年前のモノ。今のように至れり尽くせりっていうか無駄な機能 笑 はまるでなし。
記録用の道具として適材適所に使っていけばいいんだな、というのが感想でした。
なんだかひょんな事からウチにやって来てくださったこの写真機。
せっかく直ったのでウチでしばらく使っていこうかと思っています。
100年前のレンズで、今度は街中を、そして難しいけど巻き尺持って
人物も撮ってみたいもんですよね 笑
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