具現家の仕事。 素振り的自宅窓改修篇 その1

ある日のこと、妻さんが
もう、わたしの力ではこの窓が開かない…
と言い始めました。
築約50年の木造長屋。少しずつ狂いは生じてきていて、確かに以前から動きが渋く、

だましだまし使ってきましたがついに来るものが来たって感じ。

まぁ、なんかガラス戸自体も暗かったしね…。


なので、今付いてるこの戸は撤廃。

妻の要望を聞いてプランを練ります。
そうです、自分でアイデアは出さないってのが具現家方式なんですよね 笑


だってほら、自分が好きな風にやると単調でしょ?やり口きまってるでしょ?

この最も根本的なとこを『作って欲しいけど作れない人』に決めてもらうと、

割ととんでもないこと言われて面白いものができるんですよね。

大喜利、みたいなもんですよね。燃えますよね。


ま、ムリすぎたこと言われると、ムリって言いますけどね!笑

まずは10数年前に作った網戸を外し、もうガタガタなので家にビス留めしていた

窓枠をガラス割らないように外していきます。

僕から見て、戸に価値はないのですが、ガラスは模様入りの'70s的なもの。

これは今使うとなかなか面白いので、パーツとして取っておきます。

今回の妻の希望プランは、この正月あたりに作った隣の部屋、「窓の間」みたいな

感じでいこうかと。

ストックしてある小窓使って、区切った小窓がパタパタ開くイメージが、見えましたな。
(知らない方に補足。近くの芸大の学生用五軒長屋だったのですが、今の学生さんは

こんなとこ住まないので借りる人も無く作業場に使われていたところを、僕ら夫婦が

2002年にここの1部屋を借りて、そこから1つずつ増やしていって今は4部屋使って

います。

1部屋約10畳、各部屋水道付き、家賃は0.9万/部屋 ×4なわけです…。以上補足終わり)

で、ガラス戸外して。。
よし、作業するか!と間口に腰掛けて靴を履いたところ…
あれ?なんか、気持ちいいぞ?と。
そうか、いままでこうやってフルオープンでここに座ったことなんて無かったんだ。

なんだろう、この縁側的な懐かしい感じ⁈

ここで一気に僕の脳内下僕ドライブが大回転。

作業中の妻を呼んできて、座ってもらってまたアイデア練り直し。


確かになんかここがバァーンって開いたら気持ちいいよね!ということで、

ここは観音開きの窓のプランになりました。

そう言えば。。

近所のモリコロパークの「サツキとメイの家」見たときに妻さんがこういう窓いいなぁ…

って言ってたもんなぁ。なるほどなるほど。 ほんなら、そういう風に作ってみましょう。

縁側っぽく作るには、畳面とフラットにしなくてはいけないので、元々付いてた戸のレール

部分をバラします。

なんか一体型のが付いててこんな風に作ってたんだ!と少々の驚きもあり。
そして、この家お約束の「めくって中見ると部材メッソメソ」がまた出てきましたので、

こりゃまたここら辺全部ぶっ壊しですね。

撤去して、こんな感じ。
ここに基礎、みたいなもの笑を
またそこらへんにある木で組んでいきます。
縁側っぽく張る板の厚みから逆算して桁を組みます。
田原幸二、普段の生活では計算とか苦手なんですが、こういう作り物的なモノの

寸法計算はものすごく得意だったりします。フフフ。

て、まあ垂直と水平取りながら枠を組んで行って…。

この家、というか窓口ね、だいぶ垂直線が狂ってきてますね。
それに引っ張られると窓が入らなくなるので一瞬ここだけ異様に見えますが、

世界の水平垂直をこの場所に込めます。

部材の場所が決まったら、少しずつ枠を補強していって、家にあったストックの

ガラス戸を取り付ける用意をします。

そしてガラス戸、仮付け。

ちょうど娘のお迎えの時間になったので作業もここで終了。

娘、帰ってくると家がちょっと変わってたので、なんか喜んでました。
窓、閉めるとこんな風に。
よくぴったりの窓がありましたね
と思う人すらあまりいないかもしれませんが。。


だいたいどこかで不要になったどこかの家の戸がウチに持ってきて合うはずないのです。

だって、その戸はその家に合わせたものだったわけでしょ?

なのでこのガラス戸に合わせて枠が作ってある感じです。まず、戸ありきでね。

図面がないのが僕のやり方なので、立体作品を組むみたいにガンガン組み合わせ、

いろんな手を尽くして形にしていくわけです。 


しかも、前からそこにあった感じでね。ククク。

夜は布団のシーツでカーテン代わりに。 これはこれで、いい感じ。

ま、初日はここまで。
2日目は微調整に、入ります。

続くよ。

Tahara Koji/Works,Photo,Idea..

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